「お前ら、今日はここに魂おいてく覚悟はできてんか?」悪魔系Rockバンド『TENKAⅡ封(てんかふぶ)』のボーカル、デヴィル・ミナモトは集まった観客たちに問いかける。それに応える歓声。その日は『TENKAⅡ封』のワンマンライブ。ライブ会場にはファンが詰めかけていた。その中、始まる演奏。新曲『GEKOKUJO ROCK』は、かつてないほどの激しさを持った曲。イントロからエレキのエネルギーが積み重なっていきそれに伴ってライブハウスが揺れる。ついにデヴィルが歌いだそうかという瞬間、演奏していた彼らと観客の何人かは次元の壁を超えて弾けとぶ。
目を覚ました彼らがいたのは、天正10年(西暦1582年)の安土城の敷地内であった。当然のごとく、くせ者として引っ立てられる彼らだったが、そこにさらに現れるのは織田信長。珍しいものと芸ごとを見ることが好きな信長は、「ばんどまん」と名乗る彼らの演奏に興味を示す。
「儂を楽しませることが出来る演奏なら、そなたらを生かしてやっても良い」
実は歴史好き、特に戦国時代と織田信長が大好きなデヴィル・ミナモトはその状況にテンションを上げる。「我らの演奏を聴かせてやろう!」だがメンバーたちはデヴィルのその言葉に同意が出来ない。何故なら、その時代には彼らの演奏には不可欠な「エレキ(電気)」がないからだ。生き残る為の道が塞がれて慌てふためくメンバーと観客たち。そんな時、そこに更に姿を現したのは信長の重臣として知られる、明智光秀だった。
歴史好きなデヴィルは気がつく。天正10年、ということは、大好きな織田信長が死んだ年だ。今目の前にいる明智光秀という家臣に裏切られ、本能寺という場所で殺害される形で……。
西暦1582年の本能寺に、現代Rockバンドの悪魔的な演奏が響く時、戦国時代で「魔王」と呼ばれた織田信長の運命は変わるのか?歴史上の大事件と悪魔系Rockバンドが交錯する、戦国スペクタクルコメディー!!